【認知症】パーソンセンタードケアを解説!【介護福祉士筆記試験対策にも】

【認知症】パーソンセンタードケアを解説!【介護福祉士筆記試験対策にも】
目次

はじめに

「介護っていつからあるの?」素朴な疑問ゆえに、なかなか難しい問題ですが、
「今の認知症介護のやり方はいつから?」なら、ある程度は答えられるでしょう。

それが今回のお話。

全国の介護施設で、認知症の方の対応に苦心している介護士が共通して持っている(はず)
マインドが、パーソンセンタードケアという考え方です。

「介護福祉士の試験受けるときに勉強した…かな?」という方から、
「演習で実際に取り入れたことある!」という方まで。

みんな知っている割にふわふわした印象のパーソンセンタードケアを、
「そんなに難しく考えないで!」
という視点で、今回は解説してみます。

介護じぞう

もちろん「なんも知らん!」という方や、在宅で介護されている方
にも分かりやすいよう説明いたします!

パーソンセンタードケアって?

パーソンセンタードケアは、トム・キットウッドさんが1980年代に提唱した考えです。

従来の認知症に対するイメージといえば…

・徘徊したり、訳のわからないことばかり言う困った人
・なってしまったら終わり

といったもの。
(残念ながら現在でも一部残っているでしょう)

それに対して、
周りの人たちの対応次第で、認知症の症状が軽減したり、精神的に落ち着くのでは?
みたいな考え方にシフトしていきます。

そんな時代背景の中で、認知症の人に接するときの理想像、あるべき形を示したのが
パーソンセンタードケア、という訳です。

介護じぞう

現代においても、認知症ケアの基礎的な考え方なので
必修科目みたいに扱われているんですね。

そんなパーソンセンタードケアにおいての最重要ワードとも言えるのが、
パーソンフッド」を尊重せよ、というものです。

なかなか聞き馴染みもなく、捉えどころのない言葉なので、少し詳しくみていきましょう!

よく「個性」や「その人らしさ」と訳されることが多いのですが、それに加えてもう少し広い意味があるようです。

一人の人として、周囲の人や社会とのかかわりを持ち、受け入れられ、尊重され、それを実感している、 人として、相手の気持ちを大事にし、尊敬しあうこと。

ITじぞう

何やら難しそうに…

噛み砕いて説明すると、

認知症の人が『周りの人たちと信頼し合っている、社会に受け入れられている』と実感できること
パーソンフッドであり、
そうなるようお手伝いする方法パーソンセンタードケア

であると言えるでしょう。

実際にどう活用する?

ITじぞう

パーソンフッドを保ったり向上させるには?

まずは、その人のことを深く理解するところからスタートです。

健康状態や生活歴みたいな書類上の情報だけでなく、表情や言葉、ボディランゲージなんかにも目を向けて、
「今何を感じていているのか。良い状態なのかよくない状態なのか」 を観察する必要があります。

その上で「どうしてもらいたいのか?どんなサポートが本当に必要なのか?」という
ニーズに応えることでパーソンフッドを高めていく、という流れ。

そこでヒントになるのが、よく見るこちらのイラストです。

これは人間が誰しも持つ真相的な気持ち、欲求を花びらに喩えたものです。

これらが満たされている状態は、本人が「愛されている、尊重されている」と感じている状態であり、
心の安定につながることで認知症の症状が軽減したり、様子に変化が現れる、という訳ですね!

介護じぞう

例えば、何を持って「自分らしさ」を感じられるかはその人次第。
深い理解が必要なのは、その為なんですね!

「難しいな」と思ったときは!

ここまで聞いて(むしろ普段から)

「実際の現場と教科書は違うよ!」
「難しくて活かせる自信がない…」

など、お思いの方は多いのではないでしょうか?

個人的には、「パーソンセンタードケアを現場で活かすのは、決して難しくない」。

むしろ、「割とみんな出来てるんじゃない?」くらいに思っています。

例えば…

利用者さんの、紙に書いてない情報(好きな食べ物、昔していた仕事…、ちょっとした癖などなど)
を持ち寄ってチームで共有。
→それを活かした巧みなトークで緊張をほぐしてお風呂に誘う…が、失敗。
→結果を持ち寄り、「タイミングは?誘う文句を変えてみたら?」などなど再検討。

フツーにやっているのではないでしょうか?笑

ITじぞう

「納得した上で気持ちよく風呂に入ってもらいたい」
を実現するために、その人の人柄を調査するわけね笑

冒頭で説明した通り、パーソンセンタードケアが生まれたのは1980年代。
日本では「認知症」という言葉すらない時代でした。

そこから、認知症やケアに対する考え方はだいぶ浸透したのではないか、と僕は思っています。

介護じぞう

もちろん、完璧とは思いませんが。

めちゃめちゃシンプルに言うと
愛情を持って、一人ひとりの利用者さんに対応しなさい
という考えになりますし笑

あくまで理想像、あるべき姿を示したもの。
ということを踏まえて、介護に携われば良いのかな?
と思います。

参考文献の紹介(介福受験者必見)

ここで、今回の記事を執筆するにあたって参考にした書籍を紹介させてください。

こちらは、パーソンセンタードケア提唱者のトム・キットウッド氏の著作ですが、
優しい文体で書かれているのでとても読みやすいです

介護職から、自宅で介護されている方、現在介護とは縁遠い方まで幅広く読んでいただけそうです。

介護じぞう

万人にオススメではあるのですが、
特に「介護福祉士を受験する予定の人」には激推しです!

なぜかと言いますと、
「介護職として取るべき対応」が、ケース別に紹介されているのです!

例えば、

・『〇〇さんは、しょっちゅう他の人のお皿から食事を食べてしまいます。』

悪い実践
『このままだと施設を出ていかなければならないと伝えた。』

良い実践
『食事中に落ち着いて座っていられないことに気づいたので、
立ったまま食べられるサンドウィッチを提供することにした。』

このような感じで、ストーリー仕立てで○×を学習することができます

ITじぞう

介福の試験でも、こんな感じの問題が出るの?

介護じぞう

出るし、こういった系の問題を確実に正解していくことが
合格につながります!

ズバリ、この本を読み込めば介福の試験の合格率は上がります!

おわりに

最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましょう。

・パーソンセンタードケアとは、1980年代イギリスで誕生した認知症ケアの基本的な考え方

・パーソンフッドとは、「その人らしさ」「個性」のほかに
「周りの人たちと信頼し合っている、社会に受け入れられていると実感できること」を指す。

・パーソンフッドを理解した上で、その人の本当のニーズに応えることが心の安定につながる。

ITじぞう

今回はなかなか難しかったんじゃない?

介護じぞう

何回か頭から火が出ました。

理想像だけに難しく考えてしまいがちな、パーソンセンタードケア。

少しでも誰かの苦手意識を払拭できたら幸いです!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次