はじめに
2023(令和4)年度の介護福祉士筆記試験は、来年1月29日。
あと3ヶ月というタイミングですが、「どこから手をつけたらいいのかわからない!」
という方もおられるのではないでしょうか。
今回は、今から勉強を始めても間に合うように、今の時期にこそオススメな勉強法をシェアしたいと思います。
・勉強が苦手な方
・まだ何も手をつけていない方
・覚えることが多くてテキストを開きたくない方
に是非参考にしていただきたいです!
介護福祉士試験はやさしい?意外な落とし穴も
介護福祉士筆記試験については、
「6割合格だから、やさしい試験」という声もあれば、
「あと数点で、今年も落ちた」なんて、切実な声も聞かれます。
個人的には、勉強が得意な方であっても「直前に丸暗記」という勉強法はオススメできません。
理由①出題される内容が広範囲にわたる
介護のプロを輩出する試験といっても、求められる知識は介護分野にとどまりません。
生理学や心理学からの知識、行政サービスや法律…、近年は喀痰吸引や経管栄養といった医療に関する設問が
高頻度で出題されます。
加えて、今回の試験からは新しい出題基準のものとなります。
令和元年より「介護福祉士の国家試験の在り方に関する検討会」が定期的に開催され、
試験の出題内容の変更に関する議論が進められてきました。
結果、以下の内容が見直される事となりました。
①チームマネジメント能力を養うための教育内容の拡充
②対象者の生活を地域で支えるための実践力の向上
③介護過程の実践力の向上
④認知症ケアの実践力の向上
⑤介護と医療の連携を踏まえた実践力の向上
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要は、出題範囲がさらに広がったって事だね。大変!
理由②苦手分野があると命取りになる?
「法律覚えるのだけは苦手だけど、ほか大丈夫なら合格するんじゃない?」
みたいに考える方がおられたら要注意です!
合格基準は、以下の通りとなっています。
ア 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
イ アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
注意が必要なのは、「イ」です。
裏を返せば、
「11の科目群の中で、ひとつでも0点の科目があれば不合格」
という事です。
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いかに苦手分野を克服できるかがキモです!
以上の注意点を踏まえて、この時期にできる対策を考えていきましょう。
苦手分野の用語に慣れてみよう
ICF(国際生活機能分類)という言葉があります。
ここ数年の過去問に必ずといっていい頻度で登場する用語ですが、
介護の仕事をしていて耳にする機会は、そうそうないですよね?
(講師などしていたら別ですが)
他にも、法律の名称(「老人福祉法」や「介護保険法」)、筋肉の種類(「随意筋」と「不随意筋」)、
なども馴染みのない用語が多いでしょう。
一方で、介護や認知症に関する用語は、なんとなくでも知っていたり
内容を理解していたりするのではないでしょうか?
(「レビー小体型認知症」、「見当識障害」、「長谷川スケール」など)
現職の介護職の方だったら、勤務している施設によっても馴染みのある用語に違いがあるかもしれません。
高齢者施設に勤務している方なら、
「認知症に関する用語はそこそこ知っている一方で、障害福祉サービスの知識はあんまり…」
などなど。
まずは、勇気を出してテキストを開いてみて(!)、
「この分野はサッパリだな」「ここから何ページは聞いた事ない用語ばっかりだな」
みたいに、自分の苦手分野をピックアップしてみましょう。
その上で、毎日5分で良いので、それらの用語に触れる事が重要です。
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ちゃんと根拠は用意してあるんだろうね?
もちろん!
みなさんは、「単純接触効果(ザイオンス効果)という言葉をご存じでしょうか?
これは、
ある刺激に何度も接することで、その刺激に対して親近性が高まり、好意が増加するとされる理論です。
つまり、同じものを何度も見たり聞いたりしていると好きになる、という事。
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人間関係でも同じ事が起こると言われていますね。
毎日少しずつ馴染みのない用語に触れることで、「苦手」を「好き」に書き換えててしまおう!
という作戦です。
小学校で何度も九九を暗唱したように(七の段が鬼門でしたね)、少しずつ用語に慣れていきましょう。
40秒勉強法で、知識を定着させよう
用語に慣れたら、次は覚えなきゃいけないですね!笑
新しいことを沢山覚えるのは、よっぽど暗記に自信がない人でもない限り難しいことです。
ましてや、試験本番まで覚えておくためには、しっかり記憶に定着させる必要があります。
そのために今から始めるオススメの勉強法。
それは、「40秒勉強法」です!
こんな実験があったそうです。
とある実験で、映像を2つのグループに見せました。
グループAは、試聴後40秒間だけ、内容を思い描くか声に出しました。
グループBは、特に復習はしませんでした。
2週間後、どれだけ内容を覚えているか確認したところ、
グループBの人たちがほとんど内容を忘れていた一方で、
グループAの人たちは「これが〇〇で▲▲して〜」と、かなり詳細まで覚えていました。
「40秒間、頭で思い浮かべたり声に出す」
このちょっとの振り返りが、脳の後帯状皮質という部位を活発にし、長期記憶として残った、
という事がMRI検査で分かったそうです。
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それを勉強に活かしたのが「40秒勉強法」ね。
で、具体的にどうやるの?
「本や教科書を1ページ読んだら、本を閉じて40秒間思い出してみる。」
これだけで効果があるそうです。
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余裕があれば、人に説明したり(声に出す)
ノートにまとめてみたりしてみましょう。
とはいえ、膨大なテキストを1ページ1ページ記憶していく、と考えると気が遠くなりますよね。
そこで、テキストの「要点/まとめ」を活用してみましょう!
大体のテキストや教科書には、ページの下の方や右側に
「そのページや項目をまとめたコーナー」が載っていると思います。
「40秒勉強法」とは、長期記憶を司る脳の後帯状皮質を活発にすることで、効率よく
物事を学習するためのメソッド。
具体的な方法としては、「本を読んだ直後40秒間、頭で思い浮かべたり声に出す」
といったもの。
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BLOGだったらこんな感じで。
そこを1項目読み終わったら、内容を隠して、40秒間復習をします。
「これがこうで、こうなって、こうである」
思い浮かべるなり、声に出すなり、ノートに書くなり、方法は自分に合ったもので大丈夫。
あらかじめまとめられた要点を活用して、効率よく記憶に定着させていきましょう。
まとめ
今回の内容を軽くまとめますと…
・介護福祉士筆記試験は、出題範囲が広いので丸暗記には向かない。
また、0点の科目群があると不合格になるため、苦手分野の克服が重要。
・まずは、馴染みのない用語が多い分野(=苦手分野)をピックアップする。
その苦手分野を中心に、毎日少しずつ触れる事で用語に慣れていく
→単純接触効果
・効率よく記憶に定着させるために、テキストの「要点/まとめ」コーナーを活用。
40秒勉強法で要点から覚えていく。
でした。
働きながらの資格取得には、すきま時間を使っての効率良い勉強がカギになります。
ぜひ、今日から(!)10分でも5分でも取り組んでみてください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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