介護福祉士試験「実技試験」の概要やポイントを解説します。
2017年の試験から制度が変わったことで、介護福祉士試験を受験する大半の方が「実技試験を免除」となったので、なかなか需要は少ないかもしれませんが…
介護福祉士資格を取得するのに必須となった「実務者研修」の中で、「実技試験」を設けているスクールも多いかと思いますので、これから「実務者研修」を受講する予定の方も是非参考にしてみてください。
実技試験の概要ついて
実技試験では、介護の現場で想定されるシチュエーションが問題として提示されます。
そして提示された問題の状況に沿った適切な介助を行う、という内容になります。
具体的にいうと、当日は控え室で課題の書かれた用紙を渡されます。
そこには、「利用者さんの年齢や身体の状態、今がどういったどういったシチュエーションで、何を望まれているか」といった情報が記載されています。
その後、別室に移動し、5分前後の時間内に利用者さん役の試験スタッフに対して、実際に介助を行います。
採点の基準としては、
- 介護の3原則である「安全・安楽」「個人の尊厳」「自立支援」を満たした介助が行えているか
- 利用者さんとのコミュニケーションがとれているか
- 挨拶ができているか
といった点をみられます。
試験対策
まず過去に出題された問題を読んでみて、利用者さんの情報から、どういった介助が必要で、どういった動作には残存機能を活かしてもらえるか、まとめてみましょう。
その上で問題のシチュエーションに沿って頭の中でロールプレイングしてみてください。
ここで、実際に過去問から抜粋して読み上げてみます。
山田さん(85歳)は、右上下肢に麻痺があります。移乗は一部介助が必要です。
車いすを使用して、全介助で移動しています。
山田さんは、テラスでレクリエーションを終えて、車いすに浅く座っています。
ここまででも、
- 右上下肢に麻痺があるため、左側から移乗する
- 車いすに浅く座っているので、まずは姿勢を整えるよう声かけする
…といったポイントが浮かぶと思います。
このように、過去問を読みながら、要所要所で抑えるポイントを掴む練習をしておきましょう。
また、頭の中で思い描くのと実際にやってみるのとでは、うまくいかない事が出てくると思います。
利用者さん役のスタッフの方は基本無表情で、声をかけても返事もないですし…
本番でショックを受けないためにも、「相手を見つけて実際に練習する」というのは、とても有効だと思います。
胸に留めておいてほしい話2選
挨拶が大事!
実際に利用者さんの対応をする時にも、正確な技術だけでなく、優しく声をかけるのは大事ですよね。
なので、はじめに元気よく挨拶する。
次の動作に移る際には、必ず利用者さん役の方に話しかけて、これから行う動作を説明する。
というのを徹底すると良いと思います。
細かくても、必ず言葉で伝えましょう。
制限時間を気にしすぎない!
5分以内に移乘介助してアレしてコレして食堂まで誘導して…
となると、焦ってしまうのは仕方ないと思います。
時間内に課題がクリアできなくても、ちゃんと受かります!
介助動作のスピードにばかり気がいって、コミュニケーションが疎かになってしまっては元も子もありませんから、落ち着いて、丁寧に、自信を持って取り組みましょう!
まとめ
介護福祉士の「実技試験」は、介護の現場で実際起こるようなシチュエーションで、利用者さんとのコミュニケーションや介助が適切に行えるかどうかを評価する試験になります。
試験対策としては、過去に主題された例題を読んでみて、頭の中でシミュレーションを繰り返したのち、実際に誰かと練習してみる、という方法が良いと思います。
アドバイスとしましては、挨拶と声かけはこまめに!
介助の動作や車椅子の扱いなどは、当たり前のことになりますが、丁寧に!というのを気をつけてみてください。
また、「筆記試験編」でも書いた通り、決して意地悪な試験ではないので、時間を気にせず落ち着いて取り組むのも大事だと思います。
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