違いのわかる介護職へ
介護現場や介護福祉士筆記試験では、よく『似たような単語』が登場します。

試験では、その違いが問題として問われることも多いです。
今回は、そんな『似たような単語』、特に試験によく出るものの違いを解説します。
・介護福祉士を目指している方
・介護の専門用語は難しい!という方
・看護師さんに専門用語でマウントとられて困っている方
こんな方にオススメです!
運動麻痺と運動失調の違い
どちらも運動機能に関してトラブルのある状態ですが
この違いを超カンタンにいうと→
「動かしたくても動かせない」のが運動麻痺
「動かせるけど上手くできない」のが運動失調
です。
少し詳しく解説します。
運動麻痺
特徴:脳や脊髄の損症が原因で、筋肉を動かす力が低下したり、完全に失われる
例 :片方の手足が全く動かせない(片麻痺)
足に力が入らず歩けない(下肢麻痺)
運動失調
特徴:小脳の損傷が原因で、筋力自体には問題がないものの、動作の調整がうまくできない
例 :まっすぐ歩こうとしてもふらつく
手を伸ばして物をつかもうとしても狙いが外れる



「〇〇しようとしても…」と書かれていたら運動失調!
って感じかな?
筋萎縮と筋固縮の違い
どちらも筋肉の状態に関する用語ですが
この違いを超カンタンにいうと→
「筋肉が縮む=減る」のが筋萎縮
「筋肉が固まって動かしにくくなる」のが筋固縮
です
筋萎縮
特徴:寝たきりなどが原因で、筋肉が縮んで細くなり、筋力が低下する
例 :足を長期間ギプスで固定していたら、筋肉が痩せて細くなった
筋固縮
特徴:(パーキンソン病などが原因で)筋肉が硬くなり、動作がぎこちなくなる
例 :筋肉がこわばって力を抜けず、スムーズに動かせない



これは漢字の字面からなんとなく想像できるわ



ポイントは「筋固縮→パーキンソン病の主症状のひとつ」!
紐付けて覚えましょう!
関節拘縮と関節強直
引き続いて身体の機能に関する用語ですが
この違いを超カンタンにいうと→
「動くけど制限がある」のが関節拘縮
「全く動かない」のが関節強直
です
関節拘縮
特徴:寝たきりなどが原因で、関節の可動域が制限される 痛みを伴うことも
例 :長期間ベッドに寝たきりでいた後、膝や肘が十分に曲げ伸ばしできなくなった
関節強直
特徴:骨や関節が癒着したり硬化することで、関節がほとんど動かせなくなる
例 :重度の関節リウマチで指の関節が完全に固まって動かなくなる



「拘縮」は介護現場でもよく聞かれる用語ですので、バッチリ覚えておきましょう!
失行と失認
どちらも
・認知症の中核症状
・脳血管障害(脳梗塞など)の主症状
ですが
この違いを超カンタンにいうと→
「体は動くのに思った通りにできない」のが失行
「みる・きく・さわる→それが何か認識できない」のが失認
です



なんとなくわかるけど、どっちも範囲が広そうな言葉だね



その通り、それぞれ派生/特徴があって試験でも細かく問われやすいです!
失行と失認に関しては、別の記事で詳しく解説しています!


まとめ
「動かしたくても動かせない」のが運動麻痺
「動かせるけど上手くできない」のが運動失調
「筋肉が縮む=減る」のが筋萎縮
「筋肉が固まって動かしにくくなる」のが筋固縮
「動くけど制限がある」のが関節拘縮
「全く動かない」のが関節強直
「体は動くのに思った通りにできない」のが失行
「みる・きく・さわる→それが何か認識できない」のが失認
動画でも解説しています!
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